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「IT × 開発者支援」を通じて"エンジニアの幸福度"を高めるために人生をハックしながら学んだことをお届けします

ワタシが女性向けテックコミュニティが必要だと思う10の理由

皆さん、こんにちは。職業「戸倉彩」です。

今回はズバリ、タイトルの通りなのですが「女性向けテックコミュニティが必要だと思う理由」についてお届けします。 正直、公開すべきかかなり悩んだ末にオープンに公開させていただきました。今、そして未来を創る女性のエンジニアが増え、社会が豊かになることを願って。

はじめに

本記事は、約16年の間、ワタシ自身がIT業界でマイノリティー(少数派)として生きてきた経験から得た学びを綴ったものです。あくまでも「一つの解釈」としてお読みください。

テクノロジーの未来を推進するために

これまで、IT業界はどちらかと言うと男性が中心となりテクノロジーの世界は発展を遂げてきました。しかし、インターネットの普及やマルチデバイスの登場等を背景に「テクノロジー」がワタシたちの日常生活において本質的に重要となり、女性を念頭に置き、女性によるデザインの必要性やユニバーサルデザインにますます価値が置かれ始めています。すなわち、テクノロジーを扱うエンジニアやリーダーシップを務める経営層の多様性が創造性を高め、社会にイノベーションをもたらす時代へと移り変わっています。 すでに、多くの企業や組織が女性エンジニア育成やリーダーを創出する取り組みを始めていますが、現状ではまだ十分とは言えず今後も継続的に体制を整え、より多くの方々の理解と効果的な支援や取り組みが求められているのが実情です。そんな中、この問題解決をすべく巷では新たな女性リーダーが続々と生まれ、企業や団体からの協力を仰いだり、自らの手で女性限定もしくは女性エンジニアを応援するための女性向け勉強会やカンファレンス等のイベントを開催するコミュニティや活動が急激に拡大し始めました。

なぜ女性コミュニティが必要なのか

これまでにワタシ自身は、仕事やプライベートを通じて40を超える様々な女性コミュニティのイベントに参加した経験を重ねてきました。皆さまのご支援やご好意により、一般参加者、基調講演、セッション登壇、コミュニティ運営、スポンサーというかたちで参加しました。参加スタイルによって学びは異なりましたが、ネットワーキングの際には、「初めて勇気を出して参加してみました」という方から「女性同士は楽しい」「ガールズトークの延長でテクノロジーについて学べた」「気づいたら毎回参加している」と語る方、当初は参加する側だったけれども運営する側に加わったと話す方、そしてコミュニティをリードされている方々などなど毎回男女問わず多くの参加者や他の登壇されている方々と、もれなく共鳴したくなるようなそれぞれのリアルなストーリーとの出会いがありました。素晴らしい共感の輪は大切にしたいと強く感じました。 今年は、何かをきっかけにふっと「なぜ女性コミュニティが必要なのか明確に答えられないけど必要だと思う」と話す女性は実際には少なくない事に何度か気づかされました。「女性向けコミュニティ」に関して賛否両論あると思いますが、個人的には、女性エンジニアが「エンジニア」として成長し続けるために必要なプラットフォームとして機能し始めている点は特筆すべき効果であり、今後の社会に貢献するところが大きいと期待を寄せています。ここからは、この「なぜ」について一気にワタシなりの10の理由をお伝えします。モヤモヤしている女性の方々には「情報整理」のヒントに、応援してくださっている方々もしくは今後支援をご検討いただける方々には「支援のあり方」や「支援の姿勢の本質」などを見いだすきっかけにしていただければと思います。

1. 学習に集中できる

教育機関においても共学と男女別学が存在しているように、「学びの場」としてそれぞれのメリットとデメリットがあります。参加者側の選択肢の一つとして女性向けコミュニティが広がることで専門スキル習得や幅広い分野への学習も広がる可能性があることは魅力的であり、女性向けコミュニティの存在意義があると感じています。

2. 女性の特性に応じた教育が受けられる

女性向けコミュニティは、強制参加などでない限りは差別された環境を作り出しているのではなく、「区別」された環境だと捉えています。男女別学は両者の特性に応じた効果的な進め方やコンテンツにより学習効果を高めることができます。例えば、同じテクノロジーを学ぶ場合において、女子部のハンズオンに参加したことで実際に内容を理解しながら触る事ができ、腹落ちしましたと話す方が多い理由はここにあると思います。「丁寧さ」「面倒見のよさ」などの内的な要素もウェイトを占めているように感じれられます。

3. 同性の同世代、同じような女性特有のライフステージの仲間を作りやすい

IT業界で仕事をしていると女性エンジニアの方にお会いする機会はまだまだ限られているように感じます。過去に所属していた組織でも女性エンジニアは数名程度というチームが多く、ましてや子育て中やシングルマザーのエンジニアの方にはほとんどお会いしたことがありませんでした。まずはどこでリアルに出会えるのだろう、と考えた時に社内を探す方も多いと思いますが、社内で見つからない場合には社外で見つけるより他の選択肢がありません。そうしたケースにおいては、女性向けコミュニティでのネットワーキングの場は極めて有用であり、似たような境遇の誰かと繋がれることが安心感や刺激にも繋がります。

4. 女性がどのライフステージに居ても参加しやすい

残念なことに国内では結婚、妊娠、出産、離婚、介護などのライフイベントにおいて女性の負担が多い傾向があることからも、女性エンジニアが「エンジニア」であるためのスキルアップの時間確保や心身のリフレッシュが重要な課題であるように感じています。女性向けコミュニティは、基本的に参加しやすい時間帯や場所が考慮されている場合が多く、託児所や授乳室が提供されている場合もあります。

5. 男性が絡む問題が起きづらい

異性の目が無いことで自由に振る舞えるという意見も多く聞かれるように、学習の阻害要因を抑える事ができます。男女間のトラブルや、自分自身が直接絡んでいなくても、周りの女性陣が巻き込まれることもないため、そうした不安は解消されます。近年では、女性向けコミュニティに限らずにですが「Code of Conduct (行動規範)」を公開することで迷惑行為やセクハラ防止対策が進んでいます。

6. 環境が綺麗

性コミュニティが利用する施設や設備が新しくて綺麗ということではなく、美化が保たれている傾向にあるという意味合いになります。

7. 言葉使いや礼儀作法

女性向けコミュニティのイベントでは、丁寧な言葉が使われマナーが守られているケースが多いように思われます。立ち振る舞いが美しいと思える登壇者や参加者の方々をお見かけた際には、見習いたい部分を参考にさせていただいています。

8. 女性社会での生き方を学べる

これまでの人生の中で、女性社会は縦社会ではなく横社会であることを学びました。女性社会と聞くと怖いというイメージはつきものですが、視点を変えてみると、女性社会だからこそ学べることや成長できることもあります。例えば男女で仕事が割り振られない環境で「自分たちでなんでもやっていく感覚」が身につくことは、問題に当たった時に乗り越える力を発揮してくれます。

9. 女性エンジニアのキャリアを学べる

女性エンジニアは、自分のライフスタイルにマッチした「エンジニア」としてのキャリアプランの形成を望んでいます。身近にロールモデルがいない、もしくは女性エンジニアとして相談に乗ってもらえそうな人が少ない場合には、女性向けコミュニティがオススメです。10年前と比べると、女性エンジニアの「キャリア形成」や「自立」をテーマにしたイベントやワークショップなども増えてきました。ワタシもメンターを引き受けてくださった女性の方とは社外の女性向けコミュニティで知り合いました。

10. 次世代のエンジニア文化の発展への貢献

未来を創るために、「今」自らを成長させ、自分達と同じようにテクノロジーを愛する次世代を担う女性を一人でも多く育てることがテクノロジーや文化の発展に不可能であると考えています。女性だからこそ解決できる問題や、活躍できる場があります。女性向けコミュニティでは、早いタイミングで仕事で活かせる女性ならではの強みや気づきを得ながら、少し先取りした未来のモデルを創造できると信じています。

最後に

いかがでしたでしょうか。冒頭にもお伝えしました通り、ワタシの個人的な見解が詰まった内容となりますので、皆さんがこの記事を読み終えて感じられたことに正解も間違いもないと考えています。が、万が一、不快になられた方がいらっしゃいましたら申し訳ございません。世の中に、女性エンジニアとしてさまざまな不安からの解放と救いを必要とされている方々もいらっしゃることをご理解いただき、テクノロジーイノベーションの世界で活躍する「エンジニア」として生きる今そして未来の女性エンジニアを応援していただけると幸いです。

Have A Happy Life♪ ※Twitterで最新情報発信中 @ayatokura